世界を大きく揺るがした、ワンダーランドの大事件。 ドロシーの活躍によって魔獣は再び大地に眠ったものの、その代償として彼女は3匹のトモダチを失うこととなってしまった。 瓦礫と化した城下町の復興作業。兵と民との区別無くと協力し合う姿を見てちょっとだけ安心した気持ちになりつつ、ドロシーは柄にも無く物思いに耽っていた。
何故、ハートの女王はこんな事件を起こしたんだろう? ボクに呼びかけた、あの声は一体誰だったんだろう?
困惑と喪失感とで若干途方に暮れる彼女に、東の国の密偵であるかぐやはこう告げた。 「敵は西方に在り、でござる」 今回の事件の黒幕。それは西の都エメラルド・シティを治める王『W・O・OZ(ルビ:ウィザード・オブ・オズ)』である、というのだ。 にわかに信じ難い話ではあったが、自分の窮地を救ってくれた恩人・かぐやの言葉にドロシーの心は大きく動かされ、そして新たな衝動が胸に満ち溢れてくるのを感じていた。 「ボク、この目で確かめたいんだ、真実を」 決意に満ちた表情でかぐやを見据えるドロシーの瞳には、もう一分の迷いも無かった。 「大切な物を二度と失わないために・・・もっともっと強くなりたい。いや、ならなきゃ!」
かくして、かぐやと共に西の都へと旅立つことになったドロシー。 この先彼女達を待ち受けるものは?そして、彼女達の運命は? いくつもの想いと運命とが交差して、大きなうねりへとつながっていく壮大な物語。 それはきっと、胸焦がす冒険の物語。